パテについて

パテは柔軟に形を変えられる補修素材で加工性に長けており、扱いやすいのが特徴です。
車の補修にはもちろん、建築物の修繕といった大掛かりな作業から、プラモデルなどの細かな作業まで幅広く用いられています。
パテには様々な種類があり、強度や作業性が異なります。用途に応じて適切なものを選ぶことが肝心です。

補修の際の注意点

優れた加工性を持つパテですが、万能にそれだけで何でも補修できるわけではありません。
車においては、ガリ傷程度の軽度な損傷、接触で生じたかすり傷などの補修には適していますが、リムの変形やクラックなどの大規模な損傷の場合、溶接作業や整備工場への依頼、買い替えなどの対応が必要になります。

パテの種類

車の補修を目的としたパテにもいくつか種類があります。
ボディやバンパーなど、比較的強い力の加わらない部分の補修を目的としたパテはホイールには適しません。
表面の凹みや気泡などの小さな穴を塞ぐためのパテであるため、強度が高くありません。
ホイールは車体の中で唯一路面と直接触れ合う重要なパーツです。危険を避けるためにも、ホイールの補修に使用するパテは強度の高い専用のものを選びましょう。
金属のような質感を出すためのもので実際には金属のような強度がないパテや、剥離や衝撃に対して極めて高い耐性を持ち、溶接と同程度の硬化強度を持つパテなど、種類は様々です。
パテの種類は用途に応じて様々です。パテ選びやDIYでの作業に自信がない場合は専門家に相談しましょう。

補修の注意点と作業の流れ

補修で失敗しないためには事前準備と適切な作業が大切です。
補修作業は晴れた日に行い、雨天は避けましょう。
効率良く乾燥させてパテの乗りを良くし、ムラや気泡の発生を防ぐためにも、湿気が少なく、換気の良い場所で作業を行いましょう。

ホイールには土や埃、ブレーキダストなど様々な汚れが付着しています。
専用のホイールクリーナーなどを使い、表面を綺麗にしておきましょう。

補修箇所の周囲にマスキングを施し、ガリ傷を耐水ペーパーで平らにならしておきます。
表面には油脂が付着しているため、脱脂剤を用いて除去します。

事前準備が完了したらパテの作業に移ります。
アルミパテは一般的に主剤と硬化剤と2液性です。これらをよく混ぜてから傷口に塗り込んでいきます。
混ぜ方が不足していると十分に硬化しないため、必要以上と感じるまで混ぜておく必要があります。
パテの硬化時間は短いもので5時間、長いもので12時間程度です。
硬化するまでの時間が長いため、この工程を怠ると余計な作業時間が発生してしまいます。入念に混ぜておきましょう。

パテが十分に硬化したことを確認後、耐水ペーパーで表面が均一になるまで磨いていきます。
最後にもう一度洗浄と脱脂を行い、元の色と近い色で塗装を行って完成です。
パテ選びやパテを盛る工程はホイール補修の完成度に大きく影響を与えます。